七尾の里海 四季移ろう能登島の海藻の森 松島
西洋における手つかずの自然保護のあり方とは対照的に、人の暮らしと深い関わりを持つ環境保全の概念として、
日本の「SATOYAMA-SATOUMI」が2010年の生物多様性条約締約国会議で世界に提案され、
2011年に「能登の里山里海」が世界農業遺産に認定されました。
人々の暮らしや伝統文化と深く関わり、人と自然が共生する能登半島の里海は、
地域の豊かな生態系を持ち、海の生きものにとっても重要な場所です。
七尾市 能登島の松島(野崎町)には多種多様な海藻が暮らしています。
適度な潮の流れ、能登の海には珍しいさらさらの白い砂、岩の点在するバランスの良い環境のため、
特に種類が豊富なのです。
海藻はそれぞれの適した場所にまとまり、海底の砂紋との様子はまるで自然が手入れした海中の日本庭園のようです。
[砂紋]
海藻は光合成を行うため、 光が十分に届く深さで、透明度の高い場所を好みます。
七尾の里海にたくさん生息する海藻(特にホンダワラ)は、 冬から春にかけて成長し、
その季節には、おのずと種類と量が増え、海の中には美しい海藻の森が出来ます。
能登島の海は、夏は29℃、冬は5℃と寒暖の差があるため、海の中でも四季の移ろいがあるそうです。
海の透明度が高く、磯の岩礁から海を覗けば、小さな魚やヤドカリなど色々な海の生き物を見つけて遊べます。
また、冬の風と波も能登半島がシャットアウトしてくれるので、
能登島は日本海側では珍しく一年を通してダイビングを楽しめます。